コンサバトリー恋物語 全4回 ①はじまりはオレンジ

建築家・景観デザイナー 山田 朗

現在下の写真に見られるようなコンサバトリーのルーツはいつどこから始まったのでしょう。

西暦1500年前後コロンブスやマゼランの大航海に端を欲した当時のグローバリズム化によって海上貿易が盛んになってくると、南方や植物や果実が人々の身近になりました。それと同時に植物学は進歩し、イギリス人はより新鮮なオレンジやシトラスレモンを食べるために冬の間は建物の中で『保護』しようと考えました。その代表的なものはロンドンのケンジントンパレスに1704年に建てたれたアン王女のためのオランジェリーです。後にダイアナ妃が住まわれジョギングコースになったことはご存知の方も多いでしょう。

1800年前後になるとイギリスではじまった産業革命も確立し蒸気機関を用いてモノの大量生産化が進みました。農業においても鉄とガラスと蒸気機関を使い人工的に温度を調節し、作物のためのガラスハウスが作られたのです。

そののち植物の『保護』においても利用されてくるのです。その代表的なものには1804年ナポレオンはバラ好きの妻ジョゼフィーヌのために丸メルメゾン宮殿にガラスを多く使ったバラのための館「コンサバトリー」(CONSERVATORY)を建てました。

この歴史と伝統に培われてコンサバトリーは現在代に息づいています。